クリスマスイブのコンビニを巡る連ドラです。

よくイブに仕事をしていた、自分自身の体験も入れてみました。

合計12分の大作。やっと完成したときには、思わずスタジオで拍手が。

 

 

 

 

NTTドコモ「イブなのに、の人々①/コンビニ」

 

 

        (SE)コンビニ店内

女:クリスマスイブに、

  着飾って、ごちそうを食べて、乾杯!なんて言ってる人は

  今この瞬間に、どれくらいいるのだろう?

  と、イブにコンビニのバイトをやっている私は、

  ふと思った・・

        (M)〜

  いつものように お弁当を買って行く人。

  雑誌を立ち読みしている人。

 

  お店は夕方、

  予約のクリスマスケーキを取りにくる人たちで

  一瞬賑わったけど、

  今はもう、普段の日とそれほど変わらない。

 

  ごちそうを食べる人がいれば、

  サーブする人だって必要だ。

 

  きっと今夜は,

  楽しくイブを過ごしている人のそばで、

  頑張って働いている人も、いっぱいいるのだろう。

  私みたいに。

  そして彼みたいに。

 

  彼は今夜、デパートの配送のバイトをしている。

  今頃、台車をガラガラ言わせて

  

  どこかの街を駆け回っているのかな。

 

  さっき、「メリークリスマス!」のメールが来た。

  コメントはそれだけ。

  配送の合間に、ソッコーで送ってくれたんだね。

  でも、ピカピカ点滅しているデコメの文字が

  すごくうれしかった・・

 

  仕事が終わったら、すぐに電話をしよう。

  そして、一緒にケーキを食べよう。

 

  実は,一番小さなケーキを予約してあるのだ。

  ときどき目を走らせてしまう「私のケーキ」。

  でも、その横に、

  まだ誰も取りにこないケーキがあった。

  それもまた、ささやかな、一番小さなケーキだった。

 

 

NA:ふたりの気持ちをつなぐために。

   想いをそっと,後押しするために。

   イブの、905i

   ドコモ。

 

 

 

 

 

 

NTTドコモ「イブなのに、の人々②/ママ」

 

 

      (SE)コンビニ店内

 

女の子:こんばんは。えりのケーキをください!

ママ:あの、クリスマスケーキ予約していたんですけど。

バイト:あ、こちら、ですね・・

 

         (M)〜

 

ママ:えりは、ケーキを、

   どうしても手に持つと言って、聞かなかった。

   小さなケーキを、こんなに喜んで・・

 

   遅くなって,ごめんね。

   必死で仕事を終わらせて、

   あなたを預かってくれている所に、走りながら電話して、

   また、走りつづけた。

   イブなのに、寂しい想いをさせたくなかったから。

 

   あなたと、わたし。

   仲のいい二人だけの家族・・

 

   ハイヒールの足は、どこか少し痛いけれど、

   えりのうれしそうな顔を見ていると

   足の痛みも、働きながら子供を育てている苦労も,

   すうっと消えて行く・・

 

   

   ・・お正月は、どうしよう・・

   

   先週、父から,手紙が届いていた。

   お正月には,帰ってこないか。

   手紙には,そう書いてあった。

 

   ずっと,仲違いしている父。

   声を聞かない時間が長過ぎて、

   電話一本かけるのにも,勇気がいる。

 

 

   お正月か・・

   えりは、喜ぶかな・・

 

   イブの夜空を見上げた。

 

   

NA:ふたりの気持ちをつなぐために。

   想いをそっと,後押しするために。

   イブの、905i

   ドコモ。


 

 

 

 

NTTドコモ「イブなのに、の人々③/二人」

 

 

      (SE)街角〜

 

男:例えば、夏に出会って、

  秋から冬にかけて、気温が下がるように

  気まずくなってきた恋人同士。

  それでも,そこまで持ったのなら、

  なんとかクリスマスまでは、一緒に過ごそうとするらしい。

        (M)〜

  12月の初めに別れてしまった僕たちは

  掟破りって訳だ。

  ボクは男だから、それほどでもないけれど

  彼女は、寂しいんじゃないかな?

  ・・って、強がってみたけど

  寂しいのは自分だった。

  どうしてるのかな、彼女・・

 

  コンビニの明かりの前で,足を止めて

  ケータイを取り出した。

  いや,やっぱりやめておこう。

  なにもこんなところからかけなくても・・・。

 

  そのとき、カワイイ女の子がケーキを持ってお店から出てきた。

  そうだ、今日は特別の日。

  メリークリスマス!だけでも、いいじゃないか。

 

 

男 もしもし

 女  「もしも、し?」

男 びっくりしたようなとまどったような声だった。

  一緒に,誰かとイブを過ごしているのか。

女  「いま、イタリアなの。」

男 え?

女  「ほら・・失恋旅行・・

    でも,電話もらえてうれしかった・・

    今日,イブだものね。」

 

男 しばらく話して電話を切った。

  コンビニの前で、ボクはしばらく、ほわっとしていた。

 

  二人の気持ちは、まだつながっていたんだ。

  

  ワインでも買うか、イブだし。弁当と一緒に。

  そう思った。

 

 

NA:ふたりの気持ちをつなぐために。

   想いをそっと,後押しするために。

   イブの、905i

   ドコモ。

   


 

 

 

NTTドコモ「イブなのに、の人々④/残業」


 

   

女:イブなのに,残業ですか?

  と、おざなりに声をかけて

  みな、いつもより早くオフィスを後にする。

 

  私も別に残業をしたいわけではないけれど、

  家族サービスをしなければ・・と顔に書いてある人には

  やっておきますよ、なんて言ってしまうのだ・・


        (M)〜

  同じ部の若いメンバーが、

  クリスマスパーティをどこかでやっているらしく

  誘ってくれたけれど、

  独身同士の合コンみたいなもので

  私も一応独身だけど・・

  ちょっと、おっくうだった。

  

  一人が好きで,引っ込み思案。

  少し勇気を持たなければと思うことも,何度かあったけれど

  いごごちのいい殻の中で過ごしてしまった。

  

  向いている仕事と、小さな分譲マンション。

  きっとその中で、

  これからも幸せに暮らして行くのだろう。

 

  そのとき、ケータイが鳴った。

  「もしもし・・」


男    「こないんですか?」

女 「え?」

男    「パーティですよ。」

女 「こんな時間じゃ、もう終わっちゃうでしょ?」

男    「来るまで待ってますから。

      来てくださいよ。」


女 この人の隣なら,座ってもいいかな・・

  そう思ったのは、いつも一緒に仕事をする時に感じていた

  居心地のよさのせいだろうか。

 

女 「ちょっとだけ・・顔を出してみようかな・・」

男     「ちょっとわかりにくい場所なんで

       ケータイのGPSで、探すといいと

              思うんですけど・・BG

 

女 イブが,今始まったような気がした。

 

  

NA:ふたりの気持ちをつなぐために。

   想いをそっと,後押しするために。

   イブの、905i

   ドコモ。

   

 

 

 

NTTドコモ「イブなのに、の人々⑤/父」

 

 

父:夫婦二人だけの暮らしだから

  クリスマスイブなんて,関係ないけれど

  東京の街の様子を、映し出すテレビを

  じっと見つめてしまった・・

 

  あいつ、この街で、どうしているんだろう・・


       (M)〜

  それほど遠い場所に住んでいる訳でもないのに

  親子の距離は遠くなってしまった。

 

  一人娘だから、大切に思っていた。

  大切に思っていたから、結婚に反対した。

 

  今,娘が一人で小さな子供を育てていることを考えれば

  反対した自分にも,一分の正しさがあったのかもしれない。

 

  でも、正しさを振りかざして

  随分・・娘の気持ちを傷つけてしまった・・

 

  私も意地っ張り。

  娘も意地っ張り。

  ・・よく似てるな・・

 

  でも、もう,意地を張りたくなくなった。

  だから,手紙を書いたんだ。

  正月には,帰ってきてくれと。

 

      〜(M)〜

 

  娘は、テレビ電話をかけてきた。

  もっとも,しゃべっていたのは孫のえりで、

  あいつは,手ばっかり振っていた。

  そして,やっとしゃべった。

 

娘    「えり、おじいちゃんに聞いて。

      お正月,帰っていいかって。」

  

父 娘もきっと、もう意地を張りたくなくなったんだ。

  似てるなぁ・・

 

 

 

NA:ふたりの気持ちをつなぐために。

   想いをそっと,後押しするために。

   イブの、905i

   ドコモ。

   

 

 

 

 

NTTドコモ「イブなのに、の人々⑥/東京タワー」


 

 

男:バイトを終えて、会社の外に出た。

  イブの日に、配送のバイトって言うのもなんだけど

  ボクは不思議に爽快だった。

  がんがん運んだから、よく働いたなって

  ほめてももらった。

  もちろん,バイト代が上がる訳じゃないけどね。

 

  目の前には,東京タワーがあった。

  東京で暮らしはじめて,何年か経つけれど

  東京タワーを、じっくり見たことなんかなかったし

  こんなにキレイだとは思わなかった。

  クリスマス用の、ライトアップのせいだろうか・・

 

  そのとき、ケータイが鳴った。


女   「終わった?」

男 終わった。

女   「いまどこ?」

男 東京タワーの前。

女   「へ〜!知ってる?

     12時に、タワーのライトが消える瞬間を

     一緒に見つめたカップルには永遠のシアワセが訪れるって。」

男 知らないし、

  寒いから、早く会おうよ。

女   「そうね。ケーキ食べようよ。」

男 あるの?

女   「うん!」

   

男 ボクは、地下鉄の駅に向かって走りながら

  いつか、このバイトで過ごしたイブが

  一番の思い出のイブになりそうな・・そんな気がしていた。

  

      〜 (M)〜

    

NA:あなたのイブは,どんなイブですか?

 

   ふたりの気持ちをつなぐために。

   想いをそっと,後押しするために。

   ドコモの905i

 

   海外でも使えること、GPS、高速ダウンロード、

   ワンセグなど。

   今まで超えられなかったものを,超えて行く。

 

   メリークリスマス!

 

 

 

 

 

 2008年 ACCファイナリスト