東日本大震災から2ヶ月。広告で何をつたえればいいのか・・

このキャンペーンの中で、少しだけ言葉にする事ができました。

 

 

ヒューマンコンシャス「街は暗くても」 

 

     (SE)エレベーターホール

女:以前より、照明を落としたエレベーターホール。

  慣れたというより、いまは心地よく感じている。

  このくらいで、十分・・

        (M)〜

  夜の街も、暗くなった。

  『昼間のように明るかった』そんな街に、陰影が生まれたのだ。

 

  この間、麗子が言った。

麗子「なんだか、ヨーロッパの街みたいじゃない?

   雰囲気あるよね。」

女「かえって、大人っぽいよね。」

 

  節電しようね、という気持ちを、みんなが持って

  実践している。

  悪くないよね、と、みんなが感じている。

 

  明かりを落とした街の中に、

  つながる気持ちが、見える。

  いい方に変わって行く、人の気持ちが見える。

 

NA:ヒューマンコンシャス。つながる心。

  東京FM/ジャパンFMネットワーク。

 

 

 

ヒューマンコンシャス「遠い街から」 

 

 女:小学校の同級生から、突然メールが来たのだった。

        (M)〜

友人「大変ご無沙汰しています。

   そちらは、大変だと聞きました。

   足りない物があったら、いつでも言って下さい。

   それから・・息子が独立して、

   その部屋が、空いています。

   よかったら、いつでも使って下さい・・・」

 

女:幸いに、被害は、少なかった。

  でも、疲れた心に、このメールが沁みた。

  遠い街にある、居心地のいい、その部屋。

  心は、その部屋で、束の間、くつろいだ。

 

  「ありがとう。本当にありがとう・・」

  

  その後、彼女が、

  その部屋を、被災者の受け入れ先として、

  登録した事を知った。

 

  いまごろ、本当に誰かが、その部屋で

  くつろいでいることだろう・・

 

NA:ヒューマンコンシャス。つながる心。

  東京FM/ジャパンFMネットワーク。


 

 

ヒューマンコンシャス「写真」 

 

 女:がれきの中から、丁寧に、

  アルバムや写真を、拾っている人たちを見た。

  大変な作業の中でも、

  その一枚が、家族にとって、どんなに大切なものか

  知っているからだろう。

        (M)〜

  そして又違う人の手で、泥を拭われ、水洗いされて、

  洗濯バサミに挟まれ、風に揺れている。

  そこに写されているのは、

  家族の、幸せな時間だ。

 

  いつか、その家族の手に、全ての写真が戻りますように。

  そう祈らずには、いられなかった。

 

  東北から戻った知人が言った。

  『写真をキレイにする人手が、まだ必要みたいだよ。』

  それなら、私にも、出来るかもしれないと思った。

 

NA:ヒューマンコンシャス。つながる心。

  東京FM/ジャパンFMネットワーク。

 

 

 

 ヒューマンコンシャス「ため息」 

 

 女:隣の部屋から、夫のため息が聞こえた。

  まただ。

  ため息なんかつく人じゃなかったのに

  あれ以来・・疲れているのだ。 

 

        (M)〜

 

  優しい人だから、きっと、つらいニュースを

  全部心に受け止めているのだろう。

  でも、そういうとこ、嫌いじゃないかな。

  そして、日本中で、

  誰かが誰かを思いやっている・・

  どんなにつらい事の中にも、

  いいことは見つけられる・・

  

  考えてみたら、自分も

  いろいろなことが心配で、

  これからのことが考えられなくなっていた。

  

  もう、ため息の次にいかなきゃ、そう思った。

 

  

NA:ヒューマンコンシャス、つながる心。

  TOKYO FM/ジャパンFMネットワーク。